祇園祭2024を京都の猫がめぐってみた①

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祇園祭2024、はせにゃむが撮影した祇園祭ムードの京都市内の記録(過年度の画像もあります)。

寄り道や小話などの脱線を多分に含みます(笑)

1.祇園祭のはじまり 京都のむしむしした梅雨を感じる『水無月』

京都の人は、ムシムシした梅雨の真っただ中のころ、水無月という和菓子をたべる。

出町ふたばさんの水無月
出町ふたばさんの水無月

その昔、氷が高級品だった時代、少しでも涼みたいという気持ちから氷に見立てて庶民が考え出したお菓子だそうだ。

ういろうの上に小豆がのっているむにゅっとしたほんのり甘い蒸し菓子なのだが、無病息災・暑気払いの意味が込められていて、それが好きかどうかというよりはその時期にはとりあえず『水無月』買って食べるっていうのが京都人のマインドなのだ。

好き嫌いではなく”とりあえず食べる”っていうのは京都人が大切にする季節と時候に関係する食べ物だからだ。

この時期に○○をたべるという習慣は、京都では特に大事にされている文化の一つだと思う。

季節や時候を味覚で感じる昔の心が、現在にも根付いているのだ。

不思議だけど昔から引き継がれてきた記憶というか、習わしというか、目に見えない京都を作ってきた昔の人との絆みたいなものだ。

そういうところがいかにも京都っぽい。

毎年6/30、デパートの地下の和菓子売りばには水無月を求める京都人が長蛇の列を作る。

京都ではこの時期に特にデパ地下が込み合うといった状況も、ひとつの風物詩である。

そして、これを食べると『ああ、今年も祇園祭が始まる、暑い夏が来る。』って思うのだ。

2.祇園祭2024 京都の夕暮れに響くおはやしコンチキチン

「家の作りやうは、夏をむねとすべし。」

とは兼好法師が徒然草で言っていた有名な言葉で、つまりは今よりは涼しかったであろう京都でも相当暑く過ごしづらかったということを表している。

(ぼくの住んでいる京町家っていうのは本当にその時代の考えからできた建物だから、案外涼しいのである。)

しかし、そんな蒸し暑いピークのような時期(毎年7/17が山鉾巡行と決まっている)に祇園祭のメイン行事が行われるのだ。

巡行までの期間、京都の日暮れの街にはコンコンチキチンのお囃子の音色が鳴り響く。

浴衣を着た鳴り物練習をする若衆の後ろ姿を、京町家の二階からながめては京都にいることを実感する。

祇園祭の風景

京都は、歴史という縦の糸と地域という横の糸が織りなす美しい織物のような場所なのだ。

3.祇園祭2024 鉾の組み立て

ちなみに、鉾は『伝統構法』という京町家と同じような組み立て方で建てられていて、つなぎ目に金具を使わないようになっている。

縄と木組みで半日で作り上げるのだからとてつもない昔の人の知恵と超絶技巧である…。

現代は大きな装飾(鉾や真木)はクレーンで釣り上げるのだけど、昔は人力でしていたことを思うとほんとにすごいなあと言葉を失ってしまう…。

新町蛸薬師下る『南観音山(みなみかんのんやま)』(後祭2021年7月19日撮影)

北観音山
北観音山

新町六角下るの『北観音山(きたかんのんやま)』(後祭2021年7月19日撮影)

北観音山
北観音山

組み立ててから巡行まで(3~5日ほど)は市民や観光客が鑑賞できるようにそのまま。

もちろんこの時期の鉾町を通る新町通とか室町通は一部歩行者天国!

大船鉾

新町四条下るの『大船鉾(おおふねほこ)』(後祭2021年7月19日撮影)

大船鉾

それぞれの紋のTシャツを着て作業をする建て方さんたち。かっこいい~!

4.八坂神社の神紋と織田信長の家紋

南観音山 組み耐て

祇園祭は八坂神社の神事なので、町のあらゆるところでちょうちんを見ることができる。

『五瓜に唐花(ごかにからはな)』や『左三つ巴(ひだりみっつともえ)』という神紋がはいっている。

『五瓜に唐花(ごかにからはな)』の神紋自体は珍しいものではない。

ちなみに、僕の推し武将『織田信長』もその神紋にそっくりな家紋である。

(織田家の家紋は『織田木瓜(おだもっこう)』といわれる)

由来としては諸説あるみたいだけど

・織田信長が祇園祭の復興を進んで助力していた。
・織田家は尾張に出てくる前は越前の織田剣神社の神職と言われている。
・八坂神社の主神は『須佐之男命(スサノオノミコト)』なので、戦神にあやかった。

という説がよく出てくる。

それにくわえて神紋関係で、京都では『祇園祭にキュウリを食べない』というなぞのしきたりがある。

八坂の神紋に似たものを口にしないというところから由来しているらしい。

けど、実際似ているかというと微妙である…笑。

有識者の方がそのあたりの記事を書いているので興味のある方は読んでみてほしい。

【祇園祭】八坂神社の御神紋はキュウリではない【マクワウリ】
http://arkness.blog.fc2.com/blog-entry-69.html

ちなみに、僕は祇園祭の屋台のキュウリの一本漬けが大好きなので『キュウリと似ているから説』には反対である。

5.おわりに 祇園祭恒例の厄除け粽をゲット!

今年も『函谷鉾(かんこぼこ)』の厄除け粽を用意して巡行の日の準備は万端にゃのである!

あっ、思えばここにも神紋が入っている!

知識が増えれば、見どころや気が付く場所が増えるので年々楽しくなっていくのが祇園祭

これが、通・マニアの楽しみ方である(笑)。

暑いし人もいっぱいだろうから今回は通販で買いました。

ちなみに、これを買う方法は2つある。
①函谷鉾保存員会(四条室町東入)の本部に出向く(7/15-7/16)。
函谷鉾保存会ホームページから購入する。
※どちらも祇園祭のシーズンでないと買えない限定品なので注意が必要!

さて、本番は『祇園祭2024を京都の猫がめぐってみた②』で書くことにするね。

写真量が明らか1記事におさまる数じゃなかったので③に続きました…(笑)

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hasenyam
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この記事を書いた猫

Webデザイナー/イラストレーター/フォトグラファー

京都という街が好き!京町家に住みついた猫さんです。
言語学→税務→会計→Webと畑を渡り歩く多機能猫。
今は主に写真やデザインのお仕事をしています。
テキスト・植物・ゲーム・猫好き。
最近ぬい活の沼にはまりつつあるらしい。
写真歴6年 愛機はNikon D7500

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